システムエンジニアの給料は安い?安く感じる理由や年収アップにおすすめの資格も解説
システムエンジニアの悩みの一つが、給料に対する疑問や不満です。
自分の給料が実際の働きやスキルに見合っているかどうかや、同年代同業種のなかでどの程度の位置にあるのか気になる方は少なくないようです。
この記事ではシステムエンジニアの給料が安いと思われる理由や平均年収の目安、年収アップにおすすめの資格や方法について解説します。
目次
システムエンジニアの給料が安く感じる理由は?
システムエンジニアの方のなかには、仕事内容に見合っていない、同年代や同業種の方に比べて給料が安いなどと思っている方も少なくないのではないでしょうか。
自分の給料が安く感じる原因は、主に以下の3つが考えられるでしょう。
- 労働時間が長い傾向にあるため
- 下流工程では単価が安くなるため
- 年功序列型の評価のため
これらの3つの内容について、詳しく解説します。
労働時間が長い傾向にあるため
システムエンジニアはじめIT業界はほかの業種に比べて長時間労働となる傾向にあります。そのため、給料を労働時間で割って時給換算をすると、低い値になりがちです。このような仕組みが、システムエンジニアの給料を安く感じさせています。
長時間労働の要因の一つが、受発注の仕組みやエンジニアの仕事の特性です。ITエンジニアの仕事の特性は以下のようなものです。
まずソフトウェア開発は複数のエンジニアがプロジェクトを組んで仕事を行うため、メンバー間での作業の進捗管理や品質管理が難しく、各個人の経験やノウハウに依存します。また、企画プロセスが不十分な場合、その後の工程に影響が出ます。結果として時間外労働が増えるでしょう。
仕事に従事する場所は開発プロセスによって異なります。ときには自社の事業場だけでなく、顧客先に常駐(客先常駐)して業務に当たることもあるでしょう。
開発プロセスの全部または一部をアウトソーシングし、元請け・一次請け・二次請けなど多重下請構造になる場合もみられます。
以上のような特性が関係者のコミュニケーション不足を招き、長時間労働の要因となります。
その他の要因は、厳しい納期・顧客対応・急な仕様変更などです。また、エンジニアに対して実施したアンケートでは、所定外労働が発生する理由としてトラブルなどの緊急対応・顧客対応・仕様変更・無理な納期などが挙げられています。
下流工程では単価が安くなるため
システムエンジニアの仕事は上流工程・中流工程・下流工程に分けられます。上流工程は経営者も含めた、要件定義とシステム設計を行うデザインの工程です。
中流工程はソフトウェアの設計・プログラミング・単体テストという技術者による開発工程です。そして下流工程が実際にプログラムを書く工程で、プログラムの結合・総合テストを行います。
システムエンジニアのキャリアは下流工程から始まります。そこから徐々に上の工程へと移っていくのが一般的です。上流工程に行く程単価は高く設定されるため、下流工程に従事している期間は給料が安いと感じることがあります。
年功序列型の評価のため
IT業界に限りませんが、日本特有の給料体系に年功序列型があります。近年では年功序列型は見直しを図る声が大きくなり、年功序列廃止・成果主義への移行が進んでいる傾向にもありますが、依然として年功序列型の給料体系をとる企業は少なくありません。
年功序列型の給与制度は、若い世代が低い給与で働き、積み立てた分を中年期以降に高い給与として受け取る仕組みともいえます。そのため、若年層の給与は実際の貢献度に比べて低いと感じられる水準に抑えられる傾向があります。
また、高齢化に伴う総人件費の増加を補うために、企業は壮年層や若年層の給与を抑制することで対応してきたのが実態です。このような背景から、若い世代の中には、自分の給与が見合っていないと感じる人が少なくない状況です。
私たちテクニケーションでは、エンジニアが担当する業務内容に関わらず、適正な報酬を得られる仕組みを整えています。どのプロジェクトでも、エンジニアの価値を正当に評価し、高い還元率を実現しているのが大きな特徴です。
さらに、年功序列型の給与体系を採用していないため、スキルや成果が評価される仕組みが整っています。これにより、若手エンジニアでも自分の市場価値に見合った報酬を得られるのが大きな魅力です。
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システムエンジニアの給料を左右するスキルとは?
より高い給料を得るためには、より高い技術力のほかにステークホルダーと柔軟に連携するスキルや、市場価値の高いスキルを身に付けることが有効です。
例えば、以下のような種類のスキルです。
- ソフトウェア開発に関するスキル
- デザインやプロダクトマネジメントスキル
- セキュリティ技術・セキュリティ運用・保守・監視に関するスキル
- クラウドインフラ活用に関するスキル
- データエンジニアリングに関するスキル
- SREプロセスに関するスキル
- 通信・ネットワークや関連する先端技術などに関するスキル
- システムズエンジニアリングに関するスキル
このようなスキルを備えた人材は、より高額な報酬を得られる可能性が高くなります。
システムエンジニアの年代別平均年収
システムエンジニアの年収は、年代やキャリアの進展に伴い変化していきます。若手から中堅、そしてベテランへと経験を積むなかで、担当する業務の範囲や責任が広がってそれに応じた収入が期待されます。
次のセクションでは、各年代でどのようなスキルや役割が求められ、それがキャリアや年収にどのように影響するのかを詳しく見ていきます。
自身の現状と照らし合わせながら、次のステップを考えるヒントにしてみてください。
20代
20代のシステムエンジニアの平均年収は、20代前半で約339.7万円、20代後半で約441.1万円と経験を重ねるごとに増加します。
20代前半では、新卒として基本的なプログラミングやシステム開発の実務経験を積む段階で、比較的年収は低めに設定される傾向があります。
一方、20代後半になると中堅レベルのエンジニアとして、設計・要件定義・後輩指導など、より専門性や責任のある業務を任されることが増えて年収が大きく伸びる時期となるでしょう。
このような時期に基礎スキルを磨き、資格取得やキャリアアップの準備を進めることで、30代以降の収入や職責の向上につながる重要な土台を築けるでしょう。
30代
30代のシステムエンジニアの平均年収は、30代前半で約539.1万円、後半で約539.7万円と安定した水準に達します。この年代は、経験豊富なエンジニアとしてプロジェクトの中核を担い、専門的な技術力と実績が評価されやすい時期です。
30代前半では、設計や開発のリードを任されることが多くなり、効率的な問題解決能力やリーダーシップが求められます。さらに、キャリアアップを目指す人はマネジメント業務に挑戦し、プロジェクトマネージャーやリーダーポジションに進むことで収入増加や役割の幅を広げることが可能です。
一方、30代後半ではこれまで培った経験や実績が評価され、より高い裁量や責任が求められます。役職やスキルによっては年収600万円以上を目指すことも十分可能であり、この時期に自分のキャリア方向を明確にすることが、さらに高収入や充実したキャリアへとつながる鍵となります。
40代
40代は、キャリアの集大成として管理職やスペシャリストに就く人が多い年代です。
この時期には、実務経験に加えてチームマネジメントや専門的なスキルが評価され、年収も上昇傾向を示します。平均年収は40代前半で576.9万円、後半になると 605.5万円に達します。
特に、プロジェクトマネージャーや技術的なリーダーポジションを務める人が多く、高い責任を担う程給与にも反映されるのが特徴です。
一方で、転職市場でも40代は即戦力としての需要が高まるため、さらなるキャリアアップを目指すチャンスにも恵まれています。
50代以上
50代以上は、長年の経験を活かして、技術顧問や経営層など企業の中核を担うポジションに就く人が増える年代です。平均年収は50代前半で約622.4万円、後半では約632.3万円に達します。
この年代では、実務能力だけでなく、組織全体の方向性を導くリーダーシップや経営視点が求められるため年収にもそれが反映されます。また、専門分野での卓越した知識を活かし、社外でのコンサルタントやアドバイザーとして活躍する人も少なくありません。
一方で、次世代を育てる役割を期待されることも多く、組織への貢献がさらに求められる年代でもあります。
システムエンジニアが年収アップを目指すためにおすすめの資格
システムエンジニアとして年収アップを目指すには、資格取得が効果的な手段の一つです。資格はスキルを客観的に証明するだけでなく、転職時のアピールポイントや社内での評価向上にもつながります。
特に、業界内で評価の高い資格を取得することで、専門スキルの向上やキャリアの選択肢を広げることが可能です。
以下が取得を検討するとよい代表的な資格です。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
具体的な資格の内容ついて、次のセクションで詳しく解説します。スキルアップのきっかけとして、ぜひご参考にしてください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験<は、初級エンジニア向けの資格です。エンジニアとしてキャリアをスタートする方がまず抑えておきたい資格といえます。しっかりとした基礎を身に付けていることをアピールするために有効です。
試験はCBT方式により随時実施されます。試験は科目Aと科目Bに分かれ、科目Aは試験時間90分、四肢択一形式で出題数60問です。科目Bは試験時間100分となっています。多肢選択式で出題数は20問です。
科目Aではテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の問題が出題され、科目Bでは情報セキュリティ関連とデータ構造およびアルゴリズムに関する問題が出されます。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基礎からのレベルアップを図るための試験です。技術・管理・経営・システム開発・IT基盤構築などの知識と応用力が問われます。
試験は筆記により春期(4月)と秋期(10月)の年2回の実施です。試験時間は午前150分・午後150分行われ、午前は四肢択一式で80問・午後は記述式で11問が出題されます。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す方に適した試験です。
人気の国家資格であり、高ランクとされる共通キャリア・スキルフレームワークレベル4に位置づけられている難関な資格です。筆記による試験が春期(4月)の年1回実施されます。
試験は午前1(四肢択一)50分30問・午前2(四肢択一)40分25問、午後1(記述式)90分3問・午後2(記述式)120分2問の内容で行われます。午後1・2とも中長文の読解問題が出題され、特に午後2はネットワークスペシャリスト試験中の超難関です。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、パフォーマンスの高いデータベースが構築できることを示す資格です。
共通キャリア・スキルフレームワークレベル4に位置づけられている難易度の高い国家資格で、1日に4つの試験を受けることも、この資格の難易度を高めています。データベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す方に有効です。
筆記により秋期(10月)に年1回実施されます。試験は午前1(四肢択一)50分30問・午前2(四肢択一)40分25問・午後1(記述式)90分3問・午後2(記述式)120分2問です。午前1の試験は応用情報技術者試験の午前問題から出題されます。
午前2はコンピュータ構成要素・システム構成要素・データベース・セキュリティ・システム開発技術・ソフトウェア開発管理技術の6分野からの出題です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、ステークホルダーの要求に対応でき、プロジェクトを成功に導くマネージャーを目指す方に適した資格です。
資格を持つことで社内での手当金や昇格要件を満たしたり、管理職への昇格審査の際に加点されたりするなどメリットも多い資格です。筆記により秋期(10月)に年1回実施されます。
試験は午前1(四肢択一)50分30問・午前2(四肢択一)40分25問・午後1(記述式)90分3問・午後2(記述式)120分2問です。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、セキュリティに特化した資格であり、セキュリティ関連の基本的なスキルがあることが認定されます。
業種や職種・部署を問わず多くの現場で必要とされる能力ですので、取得すればキャリアアップに大いに役立つでしょう。CBT方式により随時実施されます。
科目Aと科目Bを受験し、科目Aは四肢択一・科目Bは多肢選択式です。それぞれ120分で行われ、出題数は60問です。
システムエンジニアが年収をアップさせるポイント
システムエンジニアが年収をアップさせるには、専門スキルを磨いて、上流工程に携わることが重要です。特に、データサイエンス・AI・IoT・M2Mといった先端分野でスキルを身に付けると、高収入に繋がりやすくなります。
また、コミュニケーション力を高めてプロジェクト推進に貢献することや、キャリアアップに繋がる資格取得も有効です。マネジメントスキルを習得すれば、管理職やプロジェクトマネージャー(PM)への道が開けて、さらに高収入を目指せます。
PMには、スケジュールや予算管理・問題解決力・リーダーシップなどのスキルが求められるため、日頃から努力を続けることが大切です。また、希少性の高いプログラミング言語を習得することも有利です。ただし、現職での評価が不十分な場合は、エンジニアへの高い還元を実現している企業への転職も選択肢として検討しましょう。
テクニケーションでは、エンジニアの市場価値を正確に評価し、「単価給与連動制」に基づいた透明性の高い報酬体系を採用しています。さらに、案件を選べる案件選択制やスキルアップのためのチーム制の環境が整っており、キャリアと収入の両面で成長できる仕組みを提供しています。
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年収アップのためにはSES企業への転職を検討するのも有効?
年収アップのためにはSES企業への転職を検討してみるのもよいでしょう。近年SES企業では、還元率という指標を用いて、売上に対する給与の還元率を明示している企業が増えています。業務に対する還元率がわかると、給料に対して納得したうえで業務が行えるため、不安や不満を軽減することができます。
また、エンジニアの単価に対する還元率が特段高い高還元SESと呼ばれる企業もあり、そうした企業に転職すれば、年収がアップする可能性も高まるでしょう。
SES企業への転職が向いていると思われるのは環境の変化に抵抗がない・自分で情報を取りに行けるなどの性質を持つ方です。SESは契約や案件ごとに職場が変わるため、人間関係を新たに築ける・環境の変化に適応できるなどの適性が重要です。
また、働きながらスキルや知識を身に付ける必要があるため、自分で主体的・積極的に学んでいける方はSES企業で成功しやすいといえます。
給料が安いと感じているシステムエンジニアが年収アップを目指すには
システムエンジニアが年収アップを目指すには、スキルアップと適切な評価を受けられる環境選びが重要です。特に、AIやデータサイエンス・IoTなどの先端技術を学び、上流工程に携わることで高収入が期待できます。さらに、資格取得やマネジメントスキルの向上も有効です。
一方で、年功序列や業務単価の低い構造に縛られている職場では、努力が報われにくい場合もあります。その場合、透明性の高い評価制度を持つ企業への転職を検討するのも手段です。
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また、会社間の単価をエンジニアに開示することで、自分の市場価値に合った仕事を選べます。これにより、納得感を持ちながらキャリアを築けるのが大きな魅力です。
さらに、「案件選択制」 を導入しており、エンジニア自身が案件を選べる環境を整えています。「エンジニアの市場価値が上がれば、会社の市場価値も上がる」という考えのもと、私たちテクニケーションはエンジニアのキャリア構築を全力でサポートします。
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