SES企業は残業が多いって本当?実態と残業を減らすためにできることを解説

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「SESは残業が多いのは当たり前なのか?」と、疑問に思う方も少なくありません。実際に長時間労働を経験し、苦労したり不安を感じたりすることもあるでしょう。

キャッシュレス社会の進展やAIの導入など、システム需要促進が行われているため、IT人材不足は常態化の傾向にあります。人材不足のなか膨大な量の仕事を抱えることになり、残業が増えた方もいるのではないでしょうか。

本記事ではSES企業の残業実態や原因、対策などを解説します。理想的な働き方を目指す方のお役に立てれば幸いです。

SES企業の平均残業時間は?

時間に縛られる若者


2023年厚生労働省によると、全産業の一般労働者の月間総実労働平均時間は約162.3時間で、そのうち月間所定外労働時間は13.8時間です。情報通信業の月間総実労働時間は約161.0時間、月間所定外労働時間は16.5時間です。

2022年情報サービス産業の基本統計調査によるとSES企業の平均残業時間は約9時間ですが、SES企業によって異なるのが現状でしょう。基本的に、ホワイト企業や優良企業では残業時間は少ない傾向にあります。

契約時に残業や給料など、待遇の確認が重要です。

SES企業の残業が多いと言われる理由

パソコン作業に疲れるショートヘアの女性


残業時間数はSES企業によって差があり、多い企業と少ない企業があります。なぜSES企業の残業が多いイメージがあるのか、具体的な理由について説明します。賃金トラブルに遭わないためにも、仕組みを理解することが重要です。

固定残業代(みなし残業)による仕組み

固定残業代とは、一定時間分の時間外労働・休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のことです。

固定残業代の仕組みが悪いわけではありません。しかし、トラブルを避けるために適切な内容が記載されているかの確認が重要です。適切な内容は、以下のとおりです。

  • 固定残業代を除いた基本給の額
  • 固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法
  • 固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う


固定残業代は実際に残業していなくても毎月かかるため、みなし残業とも呼ばれています。給与250,000円は確実、というような曖昧な内容を提示している企業には注意しましょう。そのような募集要項や求人票の固定残業代でトラブルになるケースがあります。

精算幅に基づいた給与制度がある

精算幅とは、SESの業務委託契約で設けられた月間就業時間に基づき金額の計算を行う幅のことです。SES契約では、月140~180時間の稼働時間をベースにすることが一般的です。基本的に、この就業時間帯は同じ給与を受け取ることになります。
稼働日によって残業時間が変動してしまうことが少なくありません。主な精算幅の例は、以下のとおりです。

  • 140~180時間
  • 150~190時間
  • 140~200時間
  • 160~200時間


上記のように、あらかじめ決められた基準内で働いた場合は問題ありません。もし基準よりも多く働いた場合はその分支払額が増え、反対に少なく働いた場合は支払金額は少なくなります。クライアントが自由に決められるため、しっかりと確認することが重要です。

そもそもIT業界に残業が多いイメージがある

光るキーボード

IT業界に残業が多いイメージがある理由は、以下のとおりです。

  • IT業界での人材不足
  • 急に仕様変更があっても納期が延長されない
  • 多重下請け構造による影響
  • トラブル対応


急な仕様変更が発生すると、プログラムを1から作り直す場合もあります。仕様変更となっても、納期変更なし・人員不足・残業が増えるためミスの増加などの影響で、さらに残業時間が増えてしまいます。

複数の企業が下請け企業となり業務委託の連鎖が起こる多重下請け構造では、下層に行けば行く程、担当する企業の納期はかなり厳しいものになるでしょう。

またクライアントの要求変更に加えて、システム・ネットワーク障害や原因不明のアクシデントへの早急な対応が求められれば、休日出勤・夜間対応・残業が必要です。このような対応は珍しくないため、IT業界に残業が多いイメージを抱くのでしょう。

プロジェクトの管理者がいない

プロジェクトの管理者は計画どおりにプロジェクトを進めるために、進捗管理・予算管理・要因管理・リスク管理・品質管理など幅広い管理を任される立場です。常駐する必要がなく人材不足のため、プロジェクトの管理者がいないことも少なくありません。

具体的なプロジェクトの管理者の仕事は、以下のとおりです。

  • プロジェクトチームをまとめる
  • 顧客との関係づくり
  • スケジュール管理
  • 想定外のトラブルを察知し解決に導く


上記のような能力を持ち経験のある管理者の不在は、プロジェクトの円滑な進行にも支障が出てしまいます。

例えば繁忙期の場合、周りの方が残業をしているなか、自分だけ退勤できずにサービス残業となることもあるでしょう。これも、管理者不在の影響といえるのではないでしょうか。

私たちテクニケーションは、チーム制でリーダーのもとで業務を行うため、効率的にプロジェクトを遂行できることが魅力です。

プロジェクトの進捗や課題は共有されるため、課題や問題が生じた場合も経験豊富なエンジニアのもと、迅速に解決できる環境が整っています。

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SES企業は残業指示を出せる?

パワーハラスメントを受ける女性


T業界では残業が必要になるケースが少なくありません。SES企業からの残業指示の可否は、契約によって異なります。契約形態は、主に準委任契約・派遣契約・請負契約の3つです。それぞれの内容を、残業指示が出せるかどうかを含めて解説します。

準委任契約のケース

準委任契約(SES)では、SES企業に業務詳細が一任され、契約の範囲内で業務を行います。つまり、クライアント企業から直接指示を受けることはありません

準委任契約は労働の対価に対する契約のため、完成の可否・品質・期限など成果物についての責任を負いません。

準委任契約の場合、委託先事業者責任者からの指示がある場合は残業可能です。しかし、クライアント企業側からの残業指示は出せません。残業可能な例は以下のとおりです。

  • 労働時間が140~180時間の精算幅と設定されている
  • 1日8時間・月20日勤務


労働時間は160時間のため、20時間までは残業しても追加経費はかからない計算となります。

派遣契約のケース

ジェスチャーするビジネスウーマン


派遣契約は、クライアント企業側が必要とする人材提供依頼に対し、派遣会社から労働者を派遣するサービスです。登録している派遣会社ではなく、発注者側の指示下で業務を行うことが準委任契約との違いといわれています。

クライアント企業が派遣契約を行うためには厳しい法的ルールが適用され、厚生労働大臣の認可が必要です。労働派遣法に基づき、派遣社員は業務を行います。

派遣契約では、クライアント企業の指揮責任者から残業指示が出せます。ただし、クライアント企業でも、別部署の指揮責任者ではない方からの指示が出た場合は違法です。

請負契約のケース

請負契約は準委任契約と形態が似ていますが、報酬条件が異なります。請負契約の内容は、以下のとおりです。

  • 工数ではなく成果物に対して報酬が発生する
  • どのくらい工数がかかったとしても報酬は変わらない
  • 指揮命令権は委託先事業者が持つ


請負契約の場合は、準委任契約と同様に、クライアント企業側からの残業指示は出すことはできません。委託先事業者責任者指示であれば残業指示を出せます。

しかし、納期に間に合わせるためにいくら残業をしても、残業時間に見合った報酬は受け取れないことになります。

SES企業で残業代は支払われる?

お金の疑問


SES企業との契約によって、給料や残業代が支払われるかどうか異なります。契約時に契約内容や残業代の仕組みを理解していないと、自分が思っていたように働けない・報酬が受け取れないなどのトラブルに遭うリスクがあります。
確認すべき契約内容は、以下のとおりです。

  • 固定残業代:固定給に含まれている残業代
  • 精算幅


例えば、固定残業時間が月40時間の場合は、40時間以上働かないと超過した分の残業手当が支給されません。

精算幅では、140~180時間幅と設定されている場合、180時間以上働けば残業代が支給されます。しかし、上限を超えた場合の超過報酬についての規定が明記されていない場合もあります。本来は受け取れるはずの残業代が受け取れないことがないように、契約時の確認が重要です。

万が一契約書に反して残業代が支払われない場合は、労働基準法に違反している可能性があるため、労働基準監督署へ相談しましょう。

SES企業で残業を減らすためにできること

パソコンを使って考えるビジネスウーマン


IT業界では残業が多くなってしまう現状があります。残業代が適切に支払われるなら、なんとか働ける方はいるかもしれません。しかしいくら働いても残業代が出ない契約の場合、心身ともに疲れ切ってしまう場合があります。

そうなる前に、SES企業で残業を減らすためにできることをしましょう。

企業のホームページを見る

企業のホームページで、給料・残業時間・福利厚生など、働く環境下を確認しましょう。

基本的にSES企業の残業時間は少ないとされています。しかしクライアントが悪質・適切な労働環境整備がされていないなどのブラック企業の場合もあります。

ブラック企業ではなくホワイト企業を探すには、企業のホームページの確認が効果的です。確認する項目は、以下のとおりです。

  • 給料や残業時間などの基本的な待遇
  • 健康保険・年金制度・育児休業などの福利厚生が充実しているか
  • 一次請けとして元請け企業との取引を行っているか
  • 企業のブログやSNSなどで業務や職場の雰囲気などを確認


基本的な待遇に関しては、曖昧ではなく詳細が決められているかを確認することが重要です。福利厚生が充実している企業は、社員の生活と仕事のバランスを大切にしている傾向にあります。

また、多重下請け構造の下層に位置するSES企業は残業が増える傾向にあるため、注意が必要です。一次受けとして元請け企業との取引を行う企業であれば、好待遇や給料面に期待ができます。

さまざまなツールによる企業の情報収集で、残業時間を少なくすることにつながるでしょう。

周りのエンジニアに相談する

オフィスで楽しく話す男女


ホームページ上では問題なさそうな企業でも、働いてみないとわからないことがあります。そのため、周りのエンジニアに相談するのがよいでしょう。働いている方や知り合いから、気になる企業の情報が聞けるかもしれません。

インターネットでも、企業の情報を確認できない訳ではありません。しかし企業自体が情報操作していたり、競合企業によるいやがらせが存在したりする場合があるため、参考程度にとどめておいたほうがよいでしょう。

企業に相談する

契約時に企業と交渉することで、残業を減らすことにつながります。交渉の際に、働く時間や残業が必要になった場合の対応などのルールをしっかりと決めておくようにしましょう。

実際に業務をしているときに残業指示を受けた場合は、契約内容や法的に問題がないかを見極める必要もあります。自分の身体と労働環境を守るために、できることはやっておきましょう。

入社前にやっておくべきポイント

笑顔の若いビジネスウーマン


ただなんとなく就職が決まりそのまま入社すると、さまざまな面で後悔することになるかもしれません。そのような状況にならないよう、しっかりとポイントを確認しましょう。

入社前にやっておくべきポイントは、次のとおりです。

  • 希望条件のすり合わせ
  • 給与の仕組み
  • 福利厚生やサポートの確認


事前準備を行い、自分らしく働ける労働環境を手に入れましょう。

希望条件の擦り合わせ

企業に自分の希望条件を伝えることは大切です。「自分の希望を伝えたら、内定取り消しになるかもしれない」と悩む方は少なくありません。しかし、希望を伝えなければ、入社後に後悔するかもしれません。

指示された案件に対して業務を行うのではなく、自分で案件を選べる案件選択制があることをご存じでしょうか。案件に納得して働けるため、モチベーションの向上や理想の働き方を実現可能です。

案件選択制はエンジニア個人の市場価値が上がるだけではありません。エンジニア個人の市場価値が上がると企業の市場価値も上がるため、企業に貢献も期待できます。

たとえ経験やスキルがなくても、テクニケーションではチームで業務を行い丁寧な育成を行うため、実務経験の壁にもチャレンジできるでしょう。

給与の仕組みの確認

入社後に給与面でトラブルになることは少なくないため、給与の仕組みを理解しましょう。

SES企業で高還元が期待できる仕組みが、単価給与連動制です。単価給与連動制の仕組みは、以下のとおりです。

  • 市場価値に見合った収入が期待できる
  • 社員に契約単価を開示する
  • 役割によるプラス評価を実施
  • フリーランスのような働き方が実現可能


開示している収入の所定時間や交通費、みなし残業時間などの詳細を確認することも必要です。役割についてのプラス評価では、例えば手順書どおりに作業実施・設計書をもとに作業実施・詳細設計以降を担当などの業務内容によって単価は異なります。

自分の経験やスキルを活かせるため、内容に納得できれば気持ちよく活躍できるでしょう。

福利厚生やサポート内容の確認

仕事もプライベートも大切にできる福利厚生やサポートがあれば、充実した生活を送ることができるかもしれません。

リモートワークが可能・社員の交流する場があるなど、福利厚生やサポート内容が希望するライフスタイルや仕事に合うのか確認しておきましょう。

情報はできる限り詳しく書くのがポイントです。保有資格も洗い出しましょう。自身のスキルや経験を可視化すると客観的に自己分析ができ、今後キャリアプランを考えるうえでも役立ちます。また、これから身に付けるべき技術や、足りない経験にはどのようなものがあるのかを把握できます。

高還元SES企業である私たちテクニケーションでは、スキルのレベルを上げられるように、チーム制によるメンバーへのサポート体制を整えています。また、自分が向上させたいスキルに合わせて案件を選べる案件選択制を導入しています。

ほかにも、単価給与連動制により案件の単価に応じて収入が決まるため、経験やスキルに見合った報酬を得られるうえに、スキルアップに挑戦しながら納得感を持って業務を行うことも可能です。

「スキルアップをしたい」「自分の能力を高められる企業に入りたい」という方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談で、お気軽にご相談ください。

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仕事とプライベートを充実させるためにも、自分らしく働ける高還元SES企業を選びましょう。いくら経験やスキルが活かせても、毎月長時間残業したり仕事に見合った給料を受け取れなかったりすると、心身ともに疲労してしまいます。


高還元SES企業である私たちテクニケーションでは、エンジニアの労働環境改善に取り組んでおり、単価給与連動制を採用しています。プロジェクトに貢献し、案件単価に応じた報酬を得ることができるため、経験やスキルに見合った収入が期待できます。

また、チーム制を導入しているため、若手や経験が浅いエンジニアへの成長機会の提供が可能です。プロジェクトの進捗や課題も共有できるため、フォローしながら業務を進められる環境が整っています。

さらに、テクニケーションでは案件選択制を採用しているため、自身が興味を持てる案件やキャリアに役立つ案件を自由に選ぶことができます。

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