SESで昇給する方法は?交渉方法や給与が上がらない理由も解説
SESエンジニアとして働く方のなかには、思うように昇給が実現せず、悩んでいる方も少なくありません。
SES業界は、多重下請け構造や単価相場などの影響で昇給が難しくなる場合があります。昇給を目指すには、給与アップが難しい理由を知り、具体的な対策を取ることが大切です。
本記事では、SESで昇給する方法や給与アップの成功ポイントを紹介します。昇給を叶えたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
SESで昇給する方法は?
SESエンジニアの昇給を実現する方法は、以下のとおりです。
- スキルを磨く
- マネジメント職を目指す
- キャリアプランを明確にする
- 上流工程を経験する
- 交渉をする
- 高還元SESへの転職を考える
それぞれのポイントを詳しく解説します。
スキルを磨く
スキルの有無は、エンジニアの給与に大きな影響を与えます。主に、プログラミングやインフラ、コミュニケーションに関連したスキルを磨くことが重要です。
プログラミングでは、JavaScriptやPythonなどのプログラミング言語をスムーズに扱えるスキルが求められます。また、クライアントの課題を解決するための論理的思考も欠かせません。
ネットワークやサーバーなどのインフラスキルは、システムの安定性を保つために必要です。近年はクラウドでインフラ環境を整えることが増えているため、AzureやAWSをはじめとしたクラウドの知識も役立つでしょう。
また、案件ごとに多様な現場で働くSESエンジニアは、コミュニケーションスキルを備えておく必要もあります。コミュニケーション力に長けていれば、チームメンバーと意思疎通を取りながら効率的にプロジェクトを進められるからです。
さらなるスキルアップを叶えるなら、希少性のあるスキルの取得を目指すのもおすすめです。ブロックチェーンやAIなど、高需要かつ人材不足な分野のスキルを磨けば現場で重宝される存在になれます。
マネジメント職を目指す
エンジニアからプロジェクトマネージャーなどのマネジメント職・管理職を目指すのも、昇給につながります。
経済産業省が発表したIT関連産業の給与等に関する実態調査結果によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は約8,915,000円、プロデューサー・ディレクターの平均年収は約7,929,000円でした。
一方、エンジニア・プログラマーの平均年収は約5,922,000円です。この結果より、マネジメント職・管理職になった方が給与アップが期待できるとわかります。
また、クライアントへのプレゼンスキルやプロジェクトの進捗管理スキルなど、マネジメント職だからこそ磨けるスキルがあります。習得したスキルを活かしてクライアントからの評価が上がれば、さらなる給与アップが見込めるでしょう。
キャリアプランを明確にする
SESエンジニアとして成功するには、キャリアプランを作成して将来の方向性を検討し、計画的にステップアップしていく必要があります。
そもそもキャリアプランとは、将来の目標を実現するための手段を定めた計画のことです。具体的なプランを立てることで、自分が起こすべき行動を可視化できます。自分が取得すべき資格や経験すべき案件が明らかになれば、やりがいを持って取り組めるでしょう。
ただし、一度決めたキャリアプランは途中で変えても問題はありません。年月を経れば周りの環境や考え方も変わり、目標とする自分の姿も変わっていきます。定期的にプランの見直しとアップデートを行い、柔軟にキャリアを形成することが大切です。
上流工程を経験する
高単価の上流工程を経験することも昇給を叶えるポイントです。上流工程を担当できるエンジニアはニーズが高く、人材が不足しているため単価が上がる傾向にあります。
上流工程とは、プロジェクトの初期段階で基盤を整える工程のことです。具体的な業務には、要件定義や基本設計などが挙げられます。
上流工程では、適切な要件定義とわかりやすい設計書を作成するスキルが必要です。業界の新しい情報を把握し、クライアント視点で考える力も求められます。また、タスクやスケジュールを管理しながら滞りなく開発を進めるスキルも欠かせません。
上流工程を通じて磨いたスキルは、マネジメント職・管理職に就いて昇給を目指す際にも役立ちます。
交渉をする
SESエンジニアは、報酬交渉によって給料を上げられるチャンスがあります。交渉成功のポイントは、今までの実績を明確にすることです。
例えば、重要なプロジェクトを成功に導いた、ニーズの高い資格を取得したなどの実績があれば交渉成功につながりやすくなります。
交渉の際は、自分の実績や資格をまとめた資料を作成することも大切です。具体的な交渉方法については後述しますので、参考にしてください。
高還元SESへの転職を考える
高還元SESとは、エンジニアへの還元率が高いSES企業のことを指します。SESエンジニアの給与は、単価×還元率で決まるのが基本です。
例えば単価800,000円の場合、還元率50%だと400,000円、還元率80%だと640,000円がエンジニアに支払われます。同じ単価でも、還元率によってエンジニアの給与は大きく変わるため重要なポイントです。
一般的なSES企業の還元率は50〜60%とされています。80%前後の還元率であれば、高還元SESととらえられるでしょう。
私たちテクニケーションは高還元SES企業であり、単価給与連動制を導入しています。社員に単価を開示したうえで単価と連動した給与設定を行うため、実力に見合った報酬を得られるのが特徴です。
役職によるプラス評価も実施し、プロジェクトへの貢献はしっかり給与に反映されます。自分の市場価値に見合った昇給を叶えたいと考えている方は、ぜひお気軽にテクニケーションにご相談ください。
昇給の交渉方法
昇給のためには、エンジニア自ら交渉を行うことも大切です。こちらでは、以下のポイントを紹介します。
- 交渉のタイミング
- 交渉の流れ
スムーズに交渉を進めるには、事前の準備が欠かせません。交渉に適したタイミングや交渉のポイントを確認し、昇給を目指しましょう。
交渉のタイミング
昇給交渉におすすめのタイミングは、プロジェクト終了時や評価面談時です。プロジェクトにひと区切りがついた段階であれば、交渉を受け入れてもらいやすくなります。
プロジェクトの途中で交渉に入るのは、避けた方が賢明です。プロジェクトの進捗に悪影響を及ぼすおそれがあり、交渉に応じてもらえない可能性が高まります。
適切なタイミングを見極め、交渉に応じてもらいやすい状態を作ることが大切です。
交渉の流れ
まずは、これまでの実績を整理する必要があります。第三者が見てもわかるように、客観的なデータや数値で実績をまとめるのがポイントです。実際に経験した実務やプロジェクトへの貢献内容などを詳細に記載することで、相手に伝えやすくなります。
取得した技術や資格をまとめたスキルシートを作成することも重要です。自分に何ができるのか明確にすれば、昇給に値する市場価値を持つ人材だと認識してもらえるでしょう。
資料が完成したら、実際の交渉をイメージしてシミュレーションを行うのがおすすめです。どのように話すのか決めておくことで、落ち着いて交渉を進められます。
交渉当日は、作成した資料をもとに自分の実績を説明し、昇給の検討を依頼します。交渉の際には、企業側の事情を考慮して歩み寄りを見せる姿勢も必要です。お互いに話し合い、納得のできる着地点が見つけられるようにしましょう。
SESの給料が上がらない理由
SESの給料が上がらない理由は、以下のとおりです。
- 多重下請け構造になっている
- 単価の相場が決まっている
SES業界特有の事情により、昇給が難しくなる場合があります。具体的な理由を以下で解説します。
多重下請け構造になっている
IT業界は、多重下請け構造で業務委託を行うケースが多くあります。多重下請けとは、クライアントから一次・二次・三次と再委託が行われる仕組みのことです。
例えば、クライアントから一次請け企業に対して2,500,000円の案件が委託された場合を考えましょう。一次請け企業は2,000,000円で二次請け企業に、二次請け企業は1,500,000円で三次請け企業に再委託し、委託ごとに中間マージンを抜くのが基本です。
SES企業は多重下請けの下層に位置することが多く、中間マージンが抜かれた単価で案件を受けるため、エンジニアの報酬も少ない傾向にあります。
単価の相場が決まっている
SES業界には単価の相場があり、クライアントは相場に合わせて単価を決めます。そのため、相場以上の単価をクライアントに受け入れてもらうのは困難です。相場が上がらなければ単価も上がらず、エンジニアの昇給も難しくなります。
なお、SESの単価相場はエンジニアのスキルや実績で変わるのが一般的です。高い技術力や専門的な知識を備えていたり、経験が豊富だったりするエンジニアは単価相場が高い傾向にあります。
このように、SESの給料が上がらないのには業界の構造が影響を与えています。業界への理解を深めたうえで昇給のために具体的な行動に出ることが大切です。
SESエンジニアの平均年収
SESエンジニアの経験年数別の平均年収は、以下のとおりです。
- 1〜3年目:約2,500,000〜3,500,000円
- 4〜7年目:約3,000,000〜4,500,000円
- 8年目以上:約4,000,000〜6,000,000円
経験年数やスキルに応じ、平均年収が上がります。AI・機械学習やセキュリティ、クラウド技術など需要の高い専門スキルを備えたエンジニアは、経験年数の平均年収より20〜30%程給与が高くなる可能性があるでしょう。
上記の年収を目安に、自分の給与が適正か検討することが大切です。もし、経験年数やスキルと見合わない給与の場合は、より好条件で働ける環境に移るのもよいでしょう。
昇給を目指すなら高還元SES企業を選ぶのがおすすめ
昇給を叶えたい場合は、高還元SES企業へ転職するのも一つの方法です。高還元SES企業の特徴を紹介します。
- 昇給の還元率が高い
- 自由度が高い
- 単価連動性である
以下の表が、正社員SESとフリーランスSESとの全体的な比較項目ですが、上記の主な3つについて詳しく解説します。
昇給の還元率が高い
前述のとおり、還元率が高いSES企業はエンジニアに支払われる給与も高くなる傾向があります。還元率の高いSES企業を選べば、昇給の幅も広がるでしょう。
自分の市場価値に見合った報酬が得られるのであれば、業務へのモチベーションが上がり、やりがいを感じながら仕事ができます。昇給を目指せるのはもちろん、エンジニアが主体的に働きたいと思える環境も整えられているのが高還元SES企業の特徴です。
自由度が高い
高還元SES企業は、エンジニアが自由に案件を選べる案件選択制を採用している場合があります。案件選択制は、自分が身に付けたいスキルや方向性に合わせて案件を選べるため、キャリアアップにつなげやすいのが魅力です。
例えば上流工程の案件や新しい技術を扱える案件などを選べば、将来的に役立つ技術力・マネジメント力・専門性を身に付けられるチャンスが増えます。プライベートと仕事を両立したい場合は、残業の少ない案件を選ぶのも一つの方法です。
自分の指標で自由に案件を選べる高還元SES企業なら、無理のないペースでキャリアを積めるでしょう。
単価連動性である
高還元SES企業では、単価連動性で給与を決めるケースも少なくありません。単価連動性とは、現場の単価と給与が連動している仕組みを指します。業務内容が評価されて単価が上がれば、給与も上がるのが特徴です。努力した分だけ給与に反映されるため、やりがいを持って業務に邁進できます。
高還元SES企業であるテクニケーションでは、単価給与連動制と案件選択制を導入し、公正な報酬を約束しています。会社間の単価も事前に開示しているため、市場価値とマッチした案件の選択が可能です。自分の努力が報われる環境で実績を積みたいと考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
SESエンジニアのキャリアプラン
SESエンジニアの一般的なキャリアプランには、スペシャリスト・ジェネラリスト・マネージャーが挙げられます。
スペシャリストは、専門分野に特化したエンジニアのことです。AIやブロックチェーンなど需要の高い分野を極めれば、市場価値を高められます。専門分野を極めるための集中力がある方、新しい技術に好奇心を持てる方などにおすすめです。
ジェネラリストは、さまざまな分野に精通し、マルチタスクをこなせるエンジニアのことです。多様なプロジェクトに参加し、スキルや知識の幅を広げたい方に向いています。
IT業界には、エンジニアからマネージャーになるキャリアプランもあります。マネージャーは、プロジェクトの責任者としてクライアントに対応し、チームの取りまとめを行うのが特徴です。クライアントやチームメンバーと接する機会がよくあるため、コミュニケーション力やヒアリング力のある方が向いています。
各キャリアプランは、それぞれ特徴が異なります。自身との適性も考慮して、エンジニアとしてのキャリアプランを検討しましょう。
年収アップを目指せる高還元SES企業なら
SESエンジニアが年収を上げるには、高還元SES企業に転職し、環境を変えるのも一つの選択肢です。
自分の市場価値に見合った給与を得られる企業であれば、やりがいを持って業務に取り組めるでしょう。
私たちテクニケーションでは、発揮した成果を給与に反映できる単価給与連動制を採用しています。また、案件選択制により、身に付けたいスキルやキャリアに合わせた案件の選択も可能です。
理想の昇給が叶わない現状を変えるために、まずは一歩踏み出してみませんか。テクニケーションのカジュアル面談でぜひお気軽にご相談ください。