SESの将来性は?ポジティブな要素や不安なく働くためのポイントも解説

「報酬が低い」「希望する仕事が受けられない」などのイメージがあり、SES業界の将来性に不安を抱えている方は少なくありません。
SESとは、クライアント先にエンジニアを派遣するサービスで、IT業界における契約形態のことです。SES業界の仕組みを適切に理解していないと、SES業界で思うように働くことができない可能性があります。
本記事では、SES業界の規模・需要・現場の働き方などをわかりやすく提示します。SES業界の現状を理解し、不安なく働くための参考にしていただければ幸いです。
目次
SES業界の現状

2024年の調査によると、2023年度のIT市場規模は15兆500億円です。2026年度には17兆1,000億円もの拡大が推測されています。
市場拡大の要因は、以下のとおりです。
- テレワークの普及
- サイバー攻撃に対するセキュリティ対策
- 基幹システムやサーバーのリプレイス
- 従来の情報システムからクラウドへの移行
- 電子帳簿保存法・インボイス制度など法改正へのシステム対応
- デジタル化推進
サーバーは消耗品のため、トラブルを未然に防ぐためには、老朽化したものを新しいサーバーに替える(サーバーのリプレイス)作業が必要です。
IT関連市場の急速な成長に対し、生産年齢人口の減少の影響で慢性的な人材不足に悩まされています。日々の仕事をこなすのに必死で、思うようにスキルアップができないケースがあります。
IT業界で必要とされる能力やスキルの需要が高まる一方で、高度な専門的な知識を持ち経験豊富な人材が思うように育たないのが、SES業界の現状です。
またSES・請負契約・派遣契約の契約形態の多様化で、長時間労働・多様な働き方の定着不足・中小企業の働き方改革の遅れなど、安心感のある働き方ができないケースがあります。
SES業界の将来性が不安視される理由

SES業界の将来性が不安視されるのには、さまざまな理由があります。主な理由として、次が挙げられます。
- 市場の変化が大きい
- 年収が上がりにくい
- 客先常駐での働き方に課題がある
- 若いエンジニアが有利
充実した日々を送るためには、理由を知ったうえで、対策を検討することが重要です。
市場の変化が大きい
ユーザー企業のIoT・AI・BGなどIT活用が進展し、新しいテクノロジーに対する需要が高まっています。
IoTとは、スマートスピーカーや自動運転車など、形ある物がインターネットに接続されることによって可能となった新しいテクノロジーの一つです。
BG(バックグラウンド)はオペレーティングシステム機能の一つで、マルチタスクを可能にします。
さまざまな新しいテクノロジーを活用し、インターネット企業が成長・増加することによって、国内のIT市場規模は拡大傾向にあります。
市場の変化が大きい一方で、人材不足が深刻です。2019年をピークにIT関連産業の人材が減少し、将来的には40~80万人もの人材不足に陥ると予想されています。
年収が上がりにくい
SESは、エンジニアのスキルや経験が重視されるというよりも、案件によってエンジニアの報酬が異なります。
多重下請け構造のため、下請け末端企業程、低賃金になる可能性があります。自社や下請け企業ができる限り多くの利益を得るために、マージンを高く取り、労働者には低い賃金にしていることが少なくありません。
また、忙しいなかでは思うように自分のスキルアップも目指しにくい傾向です。SESは、エンジニア未経験者でも就職しやすいとされています。
しかし、働きながらスキルアップして年収を上げるには、クライアントに直接関わる機会や将来性のある企業に就職することが重要です。
スクールや動画講座などを利用したり、自主的にスキルアップを目指せる教育体制が整っていたりする企業を選びましょう。
テクニケーションでは、仕事の幅を広げる案件選択制を採用しています。納得して自分で案件を選べるため、仕事のモチベーション向上につながります。
案件の中にはチームで取り組むものもあるため、経験がないプロジェクトでも経験豊富なリーダーからのサポートを受けながら業務を行うことが可能です。そのため、スキルアップやスキルチェンジを諦めなくてもよい環境が整っています。
よりよい働き方を求める方は、お気軽にテクニケーションのカジュアル面談でご相談ください。
客先常駐での働き方に課題がある

客先常駐での働き方の課題は、主に以下のとおりです。
- 会社と距離がある
- プロジェクト終了後の待機期間が心配
- 勤怠管理は自己責任になるケースがある
- 自社とのつながりが薄くなる
- 現場の従業員と待遇が異なる
客先常駐とは、エンジニアがクライアント企業で仕事をするIT業界独特の働き方です。クライアント企業はエンジニアに直接指示をしてはいけないことが法律で定められています。
客先常駐のエンジニアの管理責任もないため、エンジニアは自分で勤怠管理を行う必要があります。客先常駐している企業が忙しくて残業しても、残業代が支払われるわけではありません。
同じ企業で働いていても、クライアント企業の社員とは待遇も異なります。一方でSES企業への出勤も少なく、自社とのつながりも薄くなるため、孤立感がある方もいるでしょう。
また、常駐先が決まらない場合は、社内や自宅で待機する期間が発生します。待期期間でも給与は保証されますが、仕事内容や給与の支払い額はSES企業によって異なります。
労働環境や福利厚生を適切に整えているSES企業を選ぶことが重要です。
若いエンジニアが有利
基本的にIT業界では慢性的な人材不足のため、年齢に関係なく業務を行うことができます。
しかし、若いエンジニアが有利な傾向にあります。スキルも経験もない40代以上のエンジニアに、高単価で依頼するクライアントは少ないです。
同じ経験やスキルなら、若いエンジニアに依頼するクライアントが多いでしょう。スキルがあり経験豊富な40代以上のエンジニアは、必要とされていて高単価で受け入れ先があります。
若いうちに、経験やスキルを身につけることが、SES業界で長期的に活躍する方法です。
SES業界の将来性がポジティブな理由

SES業界に不安を感じる方がいる一方で、将来性は明るい傾向にあります。主な理由は、以下のとおりです。
- IT業界の市場規模拡大
- IT業界の人材不足
- テレワークの拡大
SES業界の将来性をしっかりと理解して、働くことが重要です。
IT業界の市場規模拡大
SES契約は、大手企業や官公庁など大規模な開発プロジェクトで利用されるケースが多い傾向です。
そのうえ、社会のさまざまな分野でデジタル化が行われています。新しいテクノロジーでDXを推進する・既存の情報システムの改善や運営するために、IT業界の市場規模拡大が行われ、人材の確保が求められています。
特に経験豊富でスキルを持つエンジニアは、貴重な存在です。今後のIT業界も一定の安定性を維持していくと見られています。
IT業界の人材不足
IT需要の拡大に反して、人材不足は今後も深刻化する可能性が高い傾向です。プロジェクトによって必要なエンジニア数やスキル単位は異なります。
そのため、期間の単位でエンジニアを確保できるSES企業は、人材不足解消につながると期待されています。未経験でも働けるため、幅広い種類のプロジェクトを経験すれば、自分のスキルアップにも効率的です。
テレワークの拡大

コロナ禍以降、多くの企業でテレワークが社会的に浸透・拡大しました。自社以外の場所でも問題なく働くためには、環境整備が必要です。
必要な環境整備とは、例えば業務のデジタル化・データセキュリティ対策の強化・コミュニケーションツールの活用などです。
政府もDX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進を図っています。IT技術をさまざまな分野で活用し、人々の生活をよりよいものに変革することが求められています。
SES業界で働くメリット

SES業界で働くと得られるさまざまなメリットは、以下のとおりです。
- 大企業に関われる可能性が高い
- さまざまな企業と人脈が作れる
- さまざまなプロジェクトを経験できる
- 幅広いスキルが身に付く
- 未経験でも就職しやすい
SES業界では、多くのプロジェクトを抱えています。専門的な知識や経験が必要なプロジェクトだけではなく、テスト工程や簡単な作業で済むものもあるため、未経験でも就職しやすいとされています。
さまざまなプロジェクトの経験を積むことで、幅広いスキルを身に付けることも可能です。必要なスキルや知識を習得できる教育・研修をするSES企業もあります。
SES業界では、さまざまな業界のプロジェクトに参加する機会があるため、大企業に関われたり人脈を作ったりできることもメリットです。
SES業界で不安なく働くためのポイント

SES業界で不安なく働くことはできます。そのためには、下記のポイントをしっかりと理解し、押さえることが重要です。
- 優良なSES企業を選ぶ
- 自分自身のスキルアップを重視する
詳しくみていきましょう。
優良なSES企業を選ぶ
不安なく働くためには、優良なSES企業を選ぶことが重要です。優良なSES企業は、エンジニアの能力を正しく評価し、引き出す研修や教育に力を入れています。
時間外手当・交通費支給・有給休暇付与・賞与支給など、福利厚生が充実していることも多いため、離職率が低い傾向にあります。
例えば多重下請け構造の末端企業は、長時間労働が常態化し、労働環境が悪くなることも多いです。そのような企業では、離職率が高いため、勤続年数が短くなる傾向にあります。
インターネットのサイトに悪い投稿が少なく、上流のプロジェクトに関わる企業であることも優良企業を見分けるポイントです。
自分自身のスキルアップを重視する
ITスキルのレベルは賃金水準やオファーに影響を与えるため、自分自身のスキルアップを重視することが必要です。優良なSES企業なら、働きながらスキルアップが期待できます。
テクニケーションではチーム制を導入しています。一人では挑戦できない大きな案件でもチームで取り組むため、目標達成を実現できます。また、経験豊富な先輩がサポートするため、経験が浅い方でも難しい案件にチャレンジすることが可能です。
さらに、テクニケーションでは案件選択制を採用しているため、自身で自由に案件を選択することができます。目指したい分野や達成したい目標の案件に参画できるのも魅力のひとつです。
経験を積みスキルアップができ、理想的な働き方を実現したい方は、お気軽にテクニケーションのカジュアル面談を利用してください。
将来性のあるSES企業の特徴

SES業界には、将来性のあるSES企業がたくさんあります。安易に就職せず、働きたい企業を事前に調査をすることが重要です。優良な企業には特徴があるため、ポイントを解説します。
上流工程の案件もある
SESで関わる案件には、レベルの高い上流工程とレベルの低い下流工程があります。基本的には、エンジニア自身のレベルに合った案件が任されます。
上流工程は、例えばプロジェクトの基盤を形成したり設計を任されたりする仕事です。それに対し、下流工程ではコーディング後に正常に動くかを確認し、運用します。どちらもプロジェクトには欠かせない仕事です。
しかし多重下請け構造の末端企業では下流工程案件が多いため、スキルアップができないまま、下流工程の経験しか積めなくなってしまうでしょう。上流工程の案件がある企業を選ぶことが重要です。
ネットでの評価が高い
不特定多数の方がインターネットのサイトに自分の意見を投稿できるため、企業に対する社員の評価かどうかはわかりません。企業とは無関係の方や何らかの恨みを持った方が悪い意見を投稿することも考えられます。
あくまでも参考程度に考えることが必要ですが、インターネットでの評価が高く苦情が少ない場合は優良な企業といえます。
評価制度が整備されている

将来性のあるSES企業は、単価給与連動制のように明確な評価制度が整備されています。単価と給与が連動する仕組みで市場価値に見合った収入を得られます。
社員に単価が開示されるため、エンジニアは自分の市場価値に納得して自信を持って働くことができるでしょう。
役割も明確なため、それぞれが自分の役割に責任を持って仕事に取り組みます。企業に貢献した分、給与に反映されるため、エンジニア自身が積極的に行動することにもつながります。
幅広い年齢層のエンジニアが在籍している
安定しない企業の場合、年齢層に偏りがあります。特に、平均年齢が20代で40代以上の経験豊富なエンジニアがいない場合には、注意が必要です。
経験年数が4年以上で平均年齢が30~40代で幅広い年齢層のエンジニアが在籍しているSES企業なら、さまざまなニーズに応えるスキルと体制が整っていることが期待できるでしょう。
案件選択制を採用している
案件選択制では、希望の案件を自分で選ぶことができます。自分が納得して案件を選ぶため、指示されて仕方なくではなく、自主的に案件に取り組むことができるでしょう。
案件選択制は、エンジニアのスキルや経験アップにつながるため、エンジニアの市場価値が上がると同時に企業の市場価値も上がります。
SESの将来性について考えるなら優良企業を選ぼう

SES業界に不安を抱える方は少なくありません。しかしIT業界の市場規模拡大が続き、慢性的な人材不足のため、SES業界の将来性は明るいとされています。
しかしブラック企業の場合、希望どおりの案件に取り組むことができず、長時間労働に陥るおそれがあります。SES企業で働くなら、将来性のある優良なSES企業を選ぶことが重要です。
テクニケーションは、単価給与連動制を実施することで、エンジニアは市場価値に見合った報酬を受け取ることができます。また、希望の案件をエンジニア自身が選び、働きながらスキルアップができる案件選択制も取っています。
エンジニア個人の頑張りが当たり前に報われる仕組みを取っているテクニケーションなら、SES業界でも不安なく働くことができるでしょう。理想のキャリアを築くことを目指すなら、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でご相談ください。