C#とJavaの徹底比較
目次
はじめに
C#はマイクロソフト社が開発したオブジェクト指向プログラミング言語で、Windowsとの親和性が良く、多くの企業で導入されています。代表的なものとして、マイクロソフトの公式サイトやSkypeの公式サイトなどはC#で作られています。Javaと文法が似ており、Javaを使った経験があれば少し学習するだけでC#も扱えるようになると言われています(逆も然りです)。
この記事では、C#とJavaの共通点、違いについて分かりやすく解説しようと思います。
C#とJavaの共通点
(1)どちらもオブジェクト指向プログラミング言語である
共通点や関連性があるデータやメソッドを「クラス」にまとめて管理する開発手法を言います。これによりバグやサービスの問題点が発覚した場合、修正部分がどこか分かりやすく、スピーディーな修正が可能です。
(2)どちらも自動ガベージコレクタを備えている
使用されなくなった再利用可能なメモリを自動的に回収する方法の一つです。使い道のなくなったオブジェクトを破棄・整理することで、プログラムが効率化します。
(3)どちらもマルチスレッドをサポートしている。
アプリケーションのプロセス(タスク)を複数のスレッドに分けて並行処理する方式のことです。これにより、プログラムが複数の処理を並行して進めることができます。
(4)どちらもC言語をベースにしている。
(5)どちらもMySQLやMSSQLなどのデータベース管理システムに接続することが可能である。
このように、C#とJavaでは数多くの共通点があります。
C#とJavaの違い
続いて、C#とJavaの違いについて解説します。
C#は自由度が高い
自由度が高いというのは「使用できる範囲が広い」ということです。C#とJavaの重要な違いとして、以下があげられます。
- C#は演算子のオーバーロードをサポートしているがJavaはサポートしていない
- C#にはクラスプロパティがあるがJavaにはない
- C#にはデリゲートをサポートしているがJavaはサポートしていない(C#でのみサポートしているものもいくつかあります)
また、C#は「マルチパラダイムプログラミング言語」の一つで、簡単に言うと「色々なプログラミングの考え方・やり方で使用することができる言語」という意味です。Javaのようなオブジェクト指向の要素はもちろんC言語が使用していた手続き型言語、そして、データベースの操作を行うことができます。
Javaは汎用性が高い
Javaは、OSやアプリケーションに左右されません。例えば、Windowsで開発したプログラムを別の環境(Mac、Linux)上で動作できるため、この柔軟さがチームでの開発で好まれるようになりました。また汎用性という点で、両言語を用いて作れるものを比較すると以下のようになります。
C#を使って作れるもの
- WEBアプリケーション
- デスクトップアプリケーション
- ゲーム・スマホアプリ
- IoT
Javaを使って作れるもの
- WEBアプリケーション
- WEBサイト
- デスクトップアプリケーション、ソフトウェア
- ゲーム
- 組み込み系システム
- 銀行系の大規模基幹システム
- IoT
こちらを見ても分かるように、言語として汎用性が高いのはJavaの方と言えます。
難易度
言語自体の難易度に大差はないと思いますが、C#はVisual Studioさえインストールすればすぐにプログラミングを始められるのに対し、Javaの場合は言語をインストールし、eclipseなどのIDEをインストールし、環境変数の設定をするなどプログラミングを始める前にやらなければならない事がたくさんあるため、単純な始めやすさでいうと、初心者にとって難易度が低いのはC#と言えます。
C#・Javaがおすすめの人の特徴
C#がおすすめの人の特徴
(1)気軽にプログラミングを始めてみたい人
先述した通り、C#は初心者がつまづきやすい環境構築が容易にできます。「とりあえず、プログラミングをしてみたい」という人はC#の方が参入障壁が低くオススメです。
(2)ゲーム開発案件に参画したい人
JavaよりもC#の方がゲームを作成する案件は多いです。将来的にゲーム開発にかかわるエンジニアになりたい場合は、C#がオススメです。
(3)メモリ管理など難しい事まで学んでみたい人
C#もJavaもメモリ管理はガベージコレクションという機能が自動でやってくれますが、C#では手動で管理することが可能です。
Javaがおすすめの人の特徴
(1)需要の高い言語を学びたい人
先述した通り、汎用性が高くC#よりも多くのジャンルの開発ができるのがJavaになります。長く人気があり、ノウハウの多い言語を学びたいという場合はJavaがオススメです。
(2)環境構築からしっかり学びたい人
戦術したとおり、プログラミングを動かすための環境構築は簡単ではありません。初心者でもここでつまづき、学習を辞めてしまう人がいるほどです。しかし、逆に言うと、ここを乗り越えればプログラミングをするための土台を自分で構築できるため、環境構築をしっかり学びたい人はJavaがオススメです。
(3)金融機関など大規模な案件に関わってみたい人
こちらも先述した通り、Javaは大きな案件で使われていることが多いです。
大きな案件は長く保守、改修が必要な場合が多いので、案件が長く続くものが多いです。小規模の案件で色々な経験を積む方法ももちろん良いですが、大きな案件で長く安定的に成長したい方はJavaがオススメです。
まとめ
今回は、プログラミング言語の中でも人気のあるC#とJavaの特徴や違い、向いている人の特徴について解説しました。どちらの言語にも、長所と短所があるため、自分の価値観や将来像と照らし合わせながら、自分にぴったりなプログラミング言語を選択することが大切です。
世の中にはC#やJavaで作られているシステムやアプリケーションは非常に多く、どちらも習得しておいて損が無いまだまだ将来性のあるプログラミング言語だと言えます。
ぜひ、これを機にC#、Javaを使用したプログラミングにチャレンジしてみてください。